経営学特講(2019年度前期週末スクーリング)2日目

週末スクーリング

2019年度の前期週末スクリーリングにおいて、経営学特講(市川佳功先生)を受講したのでその内容(2日目)についてまとめておきます。

【参考】

1日目のまとめはこちら

経営学特講(2019年度前期週末スクーリング)1日目
2019年度の前期週末スクリーリングにおいて、経営学特講(市川佳功先生)を受講しているのでその内容についてまとめておきます。 今回の履修登録人数は184人との事です(概算ですが、出席率はかなり高そうな印象)。 なお、本科目につきましては内容の詳細は割愛し、アウトライン程度の浅さでのまとめに留めておきます事をご了承願います(授業の雰囲気を掴める程度)。

3日目(最終日)のまとめはこちら

経営学特講(2019年度前期週末スクーリング)3日目
2019年度の前期週末スクリーリングにおいて、経営学特講(市川佳功先生)を受講したのでその内容(3日目)についてまとめておきます。 いよいよ最終日です。

概要

日時:2019年6月30日(日)1時限目〜4時限目

会場:富士見ゲート4階 G403教室

担当:市川佳功先生

配布物:同族会社・特定同族会社の判定に係る補足資料(プリント)
※基本的に初日に配布の配布物を使用。

授業内容

第5回

1.導入

シラバスの予定通りに進んでおらず、だいぶん遅れているが、途中を省くので必ず追いつきます。

前回の授業で「分かりません」という人の多かった、「税務会計と企業会計の関係性」について補足説明。

法人税法第22条第4項における「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」 仮に世の中から税金が無くなっても、企業会計が無くなる事は無い。なぜならば、ステークホルダーに企業の状況を報告する場合の報告書、すなわち財務諸表を作成するが、正しい財務諸表を作るために企業会計のルールが作られた。従って、税金がなくても企業会計のルールは必要であり、逆に税金も必要なので税のルールも定められている。税のルールでは「ステークホルダーに状況を報告する」という目的はなく、税を課税するためのものである。しかし、企業会計のルールが発達しているので、そのルールを税務会計でも利用しようと考えた。しかし、やはり目的が違うので「日々の会計は企業会計で処理して、税務会計用に調整する」ことにした。

「企業会計の定め」と「租税法の定め」

両者が重なっている部分については「結果として一致している」部分である。

例:商品を売った。

  • 企業会計:売上
  • 税務会計:収益の額→益金の額に算入

→出てくる結果は同じ。

では、当てはめるべき税法上の条文がない場合は、企業会計のルールに従うべきか?

(法人税法第22条第4項「公正処理基準」?)

2.公益法人

法人税法第4条(納税義務者)

第1項ただし書き「公益法人」

例:学校法人の授業料は「主たる収入」だが、収益(儲け活動)ではない。しかし、例えば学校の敷地内に空き地があり、その空き地を月極で駐車場として貸し出す。

→収益事業なので益金に参入される。

宗教法人(事例2)

昭和15年 法人税法
昭和25年 法人税法快晴(収益事業に課税)cf.シャウプ勧告

→「一般事業会社との競合」公正競争の観点から

それまで、公益事業単体では維持できないので、収益事業も行ってそちらの収益で公益事業を維持することが一般的に見られたが、一方で収益に注力する公共法人も見られるようになってきた。

  1. 理論的には、収益に注力する公益法人に多くの課税をしたいが、現実には難しいので、収益事業全体に課税した。
  2. 一般事業会社と公益法人の収益事業が競合した場合における寡勢の公平性の観点から課税する事とした。

以上が立法趣旨であり、課税するなら「収益事業の定義」を法律で定める必要がある。法人税法第2条第13号、法人税法施行令第5条第1号、同第9号、同第10号。

「論点」

宗教法人(事例2)における論点は以下の通り。

  1. 財貨の移転
    「役務提供の対価」or「喜捨」法人税法上どちらに該当するか。
  2. 公益法人以外の一般事業者と競合するか。
  3. 事業の目的・内容・態様等、諸事情、社会通念に照らして。

3.益金および損金

 

所得の金額=益金の額−損金の額(法第22条第1項)(同第2項)(同第3項)

益金の額

  1. 資産の販売(有償)
  2. 資産の譲渡(有償・無償)
  3. 役務の提供(有償・無償)
  4. 資産の譲受(無償)※有償だと単なる購入なので収益無いため。
  5. その他の取引(例:債務免除)

以上1〜5による収益の額(法22条第2項)が益金。

資産の販売

仕入100円、時価300円の商品を販売して売上300円の場合。益金は300円、損金は100円、差し引きで所得の金額は200円となる。

資産の譲渡

販売と譲渡の違い

  • 販売:売る目的で仕入れて売る(商品の譲渡)
  • 譲渡:たまたま所有している資産を販売する(商品以外の譲渡)

しかし、そもそも「資産の販売」は「資産の譲渡」の一例に過ぎないという考え方が主流。

以前1千万円で取得した土地の時価が3億円、この土地を相手に引き渡す義務がある場合、値上がり分の2億9千万円は益金に入るか?

→法人税法第25条:持っている状態では評価益(含み益)を益金に算入しない(評価益は益金を構成しない)。

第6回

1.余談

初日の「同族会社」について、昼に追加でもう少し詳しいレジュメを作成してきますとのこと。

2.第5回授業の続き

「この土地を相手に引き渡す義務がある場合」

  1. 売買契約をした場合
  2. 贈与契約をした場合(1との違いは「有償か無償か」)

→1と2はどちらも時価3億円のこの土地を引き渡す義務がある。

→引き渡した場合を考える。

「3億円の土地を引き渡す義務が果たされる」とは、何が起きているか?

→企業の資産(価値)の増加

→「3億円の価値」が企業外に移転した。

税法上の考え方は「商品の販売だと300円の価値の物が企業外に出ていったから300円の益金。土地の事例も同様に1なら3億円の土地が企業街に出ていくから3億円の益金」となる。では2は?

→「代金を貰うか否か?」は益金と関係ない。代金を貰えなかったらその分は損失として損金に算入されるので、益金の発生は「引き渡した」=「3億円の土地が企業外に移転した時点で益金が発生する」という事になる。

役務の提供

「有償・無償を問わず公平に課税するのなら、サービスの提供ではどうか?」

資産の譲受(無償)

(挿絵割愛)

「得をした」という感覚が一般通念。

例)鉛筆の取得→取得と同時に費用となる。

車の取得→いずれ売るか捨てる=費用となる。

※100万円の車を50万円で売ると差し引き50万円費用。
※何らかの形で企業からなくなるから費用。

では、土地は? →益金になる。

取得した資産はいずれ必ず費用・損失になる。

無償取得3億円「益金」−(即時に譲渡)3億円損金=所得の金額は0円

(挿絵割愛)

無償による役務の譲受

引越しを無償でやってもらっても「手元に資産が増えるか?」

無償で引越し作業の受け入れ→資産の増加は無い。

→手元に何も残っていないので、後日、費用・損失になる事もない。従って、取得と同時に消費(消滅)するので、益金と損金が同時に発生して差し引き0円となる(所得の金額)。

役務(サービス)の譲受はメリットの享受と同時に消費(タイムラグなし)。

低額による資産の譲渡(有償)

(挿絵割愛)

時価に対して販売価格が非常に安い場合、見方によっては「非常に安い価格」での譲渡は形式的に見ると有償だが、踏み込んで考えると3億円の価値が移転している。

→下級審では「時価より低い価格での取引を含む」ので、無償と同じ扱いとして益金3億円。

→最高裁では「有償取引に他ならない」とした上で「益金3億円」の判決。なぜならば、3億円で譲渡しても無償で譲渡しても益金が 3億円となるなら、1千万円で譲渡しても益金は3億円として取り扱うべきとし、無償譲渡の場合との「課税の公平性」を図った。

よくわからなかったら「課税の公平性」から考えると良い。

第7回

1.余談

本科目の履修登録者数184人。

配布物:同族会社と特定同族会社の補足資料

2.前回授業の続き

その他(受取配当金の益金不算入)

法人が保有する株式からの配当金が支払われた場合、会社にとっては利益となる(受取配当金)。

受取配当金 ※会社は個人が作った箱

前提として「利益=所得」「法人も個人も税率30%」「税引後利益は全て株主に配当」とした場合、重複(二重)課税となってしまう。

(挿絵割愛)

そこで「二重課税の排除」を行う必要がある。

3.ここまでの授業の流れ

益金について

例外として益金に算入されないもの

(別段の定め)・受取配当金

4.損金に算入すべき金額

損金に算入すべき金額

  • (1)売上原価
  • (2)販売費・一般管理費※(債務の確定したものに限る※)
  • (3)損失の額

※販管費はどちらに分類されてもここでは大差ないので無視。
※償却費は一旦置いておく。

(1)売上原価

売上と直接的または個別的対応関係にある。そのため、法人自身においても判断しやすい(企業外部から見ても判断しやすいので、課税庁としても判断しやすい)。

(2)販売費・一般管理費

「債務の確定」※販管費は雑多な内訳であり、納税者・課税庁双方から判断しづらいので設けられた要件が「債務の確定」。

  1. 債務が成立している事。
  2. 支払う原因となる事案が発生している事
  3. 金額を合理的に算定できる事

例)従業員の給与(賃金)

→1〜3は法基通2-2-12による。

しかし、例えば災害損失などは「債務の確定」になじまないので、「債務の確定」が不要な(3)損失の額がある。

→では、売上原価は「債務の確定」が必要か?

→事例4へ。

第8回

1.試験情報

割愛(いわゆる「設題を教えてくれる」というような案内はありませんでした)。

2.前回の続き(事例4)

最高裁

  1. 近い将来(「いずれは」では不可)支出する事が相当程度の確実性をもって見込まれる事。
  2. 金額を適正に見積もる事ができる事。

→上記1及び2を満たした場合、債務が確定していなくても売上原価として損金算入される。

→「債務の確定」が要求されない売上原価の方が販管費より少しハードル低い。

※本件は「販管費」として争っていた場合、損金算入が認められなかった可能性があるとする学説もある。

3.給与(賃金)

法人税法第22条第3項第1号or同第2号(売上原価or販管費)に当てはまる。

原則として損金算入(法第22条)

→「別段の定め」

  1. 法第34条:役員給与不算入
  2. 法第36条:使用人給与(過大)不算入

上記1:会社法により「役員の報酬」は定款or株主総会決議により、報酬・賞与・職務執行の対価が定められる。しかし、法人税を逃れるために報酬を引き上げる事も、同族会社ならば技術上可能である(「課税所得の調整」が可能)。そのため、法人税法第34条では一定の制限を設けた。

(法人税法第34条第1項)次のいずれにも該当しないものは損金に参入しない(損金不算入)。

  • 定期同額給与
  • 事前確定届出給与
  • 業績連動給与

事例5

法人税法第34条第2項

法人税法施行令第70条

→過大な給与も規制対象に含める。

2日目の感想

「つ、疲れた……」

ゴールデンウィークスクーリングの時も2日目からの体力がきつかったですが(あと、1日中座っているので腰や尻が痛い)、今回の前期週末スクーリングも同様でした。

1週間のインターバルがあったはずなのですが、きついというのが率直な感想でした。

また、市川先生の語り口は知性的で理解しやすいのですが、税法の学習を重ねてきた学生ではない私にとって、区切りというか章立てみたいな、説明内容の構造的な理解が今ひとつ分からなかった感じはあります。

1つ1つの説明はよく分かりやすいのですが、例えばこうしてブログにまとめようとすると、書籍の目次みたいに階層的に見出しを作成するのが上手くできない感じです。

おそらく、私自身の理解が追いついていない事が原因とは存じますが、テキスト(教科書)の指定が無い授業ですので、もう少しその辺りが分かりやすいと個人的には助かるという印象です。

ちなみに、市川先生曰く「最終日の授業内容はシラバス通りを予定」との事です。

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成績発表はこちら

(アップ次第、リンク追記予定)

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